抄録
島嶼には固有種が多い。生物多様性の保全のためには固有種と人間との共存が望まれる。本研究では,伊豆諸島固有のサクユリの保全に関する知見として,自生地の分布特性の解明を目的とし,自生地のある伊豆大島の国立公園特別保護地区において本種の分布および生育状況と周辺環境との関係を調べた。その結果,本種の分布しやすい植生環境は,遷移初期のハチジョウススキの優占する群落であること,好適な植生環境は特別保護地区の狭い地域に限られていること,本種の分布は好適な環境条件の中でもさらに狭い地域に限られていることが明らかとなった。