抄録
斜面の自然回復緑化では,可能な限り生物多様性の高い植物群落の造成が望ましく,そのためには多様な植物を導入することが望まれる。そして,その導入手段の多様化も必要となる。現在,法面緑化工では,播種工が主として行われているが,植栽工も重要な手段である。しかし,切土法面では植栽工の実施例が少なく,また,検査基準など成果判定方法が無いのが現状である。本報告では,既往報告より切土法面での植栽木の生育について検証した。限られた樹種,限られた事例ではあるが,生存率の高い樹種,低い樹種が見られた。これらの結果から,著者は成績判定の目安として,施工後1 年目の植栽木の生存率は70% 程度以上が適当と考える。しかし,自然回復緑化では,単に,検査基準値を設定するのではなく,施工記録の保存,モニタリングなどが重要であることを提言する。