抄録
生物多様性国家戦略の策定ならび外来生物法の施行などにより法面緑化に対しても生物多様性に配慮した自然回復緑化を行うことが要求され,埋土種子を用いる森林表土利用工,自然侵入を待ち受ける自然侵入促進工,あるいはこれに類するものと考えられる四省庁による緑化植物取扱方針において示された緑化植物の当面の望ましい取扱方向(案)の草高の低い品種・種を少量播種し粗な植生を造成するという方向,および点・島(縞)状緑化に対する生育判定の有り様を探るため,緑化工学会誌に掲載された関連論文・技術報告を整理・分析を試みた。
結果,資料が少なくばらつきが多いものの,土工指針に代表される現行の植生の量的な側面に留意する成績判定基準を適用することが困難であることが判明した。このため,自然回復緑化を行うに際の生育判定に関しては,植物生育基盤の安定性,侵入定着した木本類の被圧に着目し,植生の質的な側面より判断する方向について提案した。