抄録
本報告は,滝里ダムに用いた生物多様性の確保を目的とした植栽工によるダム湖岸法面部の樹林化工法の紹介と施工から10年後の結果を報告するものである。施工地は1:1.8割勾配,地質は弱風化砂岩の切土法面である。ここでは,枠工, 金網張工による法面保護と地域性苗の植栽工(生態学的混播・混植法)による樹林化が行われた。施工後10年目の段階で,総導入本数に対して86.7 %,23種中22種が定着している。また,形成された樹林は上層部を遷移前期種,中層部を遷移中後期種が優占する構造となり,周辺の荒廃裸地における自然林の成立過程に近い遷移が進行しつつある。