日本緑化工学会誌
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論文
近代日本における樹木治療の起源
兼村 星志大藪 崇司田林 葉
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2009 年 35 巻 1 号 p. 81-86

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抄録
本研究は,大正期に日本ではじめて科学的見地から都市樹木の治療を実践した日本植物愛護會附属植物病院事業の概要,性質,発生消長の過程を同会会報である病蟲害雑誌から調査した。また,その調査から今後の樹木治療における展望や課題を整理した。その結果,植物病院の成立要因として,構成員の先進的な学識と都市樹木の保護を図る目的が認められた。また,衰退の要因として,事業の目的と社会的な要請に乖離が生じていたことが推察された。近代日本における樹木治療の起源であった同事業が発生消長した過程からは,科学が実務に導入され発展を遂げる際の問題点が明らかとなった。そこから,樹木治療におけるこれからの課題は科学的な検証の推進および科学技術の導入であると考察された。
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