抄録
現代都市生活における過度の精神的ストレスや不安は,多くの病気の原因となっており,これらの軽減は,都市生活者の健康を維持,増進する上で重要である。そこで, 本研究では,公募による60~63 歳の7 名(女性6 名,男性1 名)を対象として,森林療法,園芸療法,ヨーガからなる健康増進プログラムを,大阪の万博記念公園において,週1 日,2 月~5 月の12 週間実施して,その心理的,生化学的,免疫学的効果を検討した。なお,本研究では対照群は設定しなかった。各療法の短期的評価では,気分プロフィール検査(POMS)および状態―特性不安検査(STAI)において,統計学的有意差が得られた項目はすべてポジティブな変化であり,これらは先行研究とほぼ一致する結果であった。健康増進プログラムの長期的評価では,POMS の緊張―不安,怒り― 敵意,疲労,混乱が有意に低減した。また,血清コルチゾール濃度が有意に低下したことから,被験者のストレスが軽減されたことが示唆された。長期的評価では,STAIやNK 細胞活性に有意な変化は見られなかった。