抄録
法面に多様な植物群落を形成する自然回復緑化を行うために,対象となる法面周辺の森林から表土を採取して播種する手法や無播種で植生基盤を造成して周辺からの植物の侵入を期待する手法等が行われてきた。しかし,このような遅速型の緑化手法においても,初期の植被率や木本植物の密度の高い低いによって播種後の成績判定が行われていたことから,その適用が難しくなっていた経緯がある。しかし,2009 年に道路土工の管理基準が改訂されたことで,郷土種を用いた緑化が注目されてきた。今回の報告では,対象となる法面周辺のマント群落の植物から直接種子を採取して法面で自然復元を行った事例について紹介し,現状における現地採取種子を用いた緑化における課題について報告する。