抄録
本研究は,中国内陸部のテンゲル砂漠東端において,砂丘から扇状地末端の移行帯に成立する植生と微地形との対応関係を明らかにすることを目的とした。移行帯の植生は,砂丘から扇状地末端に向かって,Agriophyllum squarrosum→Bassia dasyphylla などアカザ科の種→Eragrostis poaeoides などイネ科やマメ科の種の順番で優占度が高くなった。また,移行帯の砂丘側で優占した A. squarrosum とArtemisia sphaerocephala の2 種は分布する立地が異なり,前者は砂丘斜面,後者は砂丘間低地を選好していると考えられた。これらのことから,移行帯では砂丘からの距離や微地形によって,成立する植生が異なることがわかった。