日本緑化工学会誌
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技術報告
国営備北丘陵公園における森林表土利用工による法面緑化の施工事例
久保 満佐子細木 大輔松江 正彦
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2009 年 35 巻 4 号 p. 542-546

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抄録
国営備北丘陵公園の切土法面でコナラ林の表土を植生基材に混合して吹付ける緑化を行い,利用した表土の埋土種子数と法面への飛来種子数,3 年間の法面植生を調査した。吹付けの際の表土混合率は10%,20%,30% とした。埋土種子数は木本のヒサカキやリョウブ,1 年生草本のヒメムカシヨモギ,多年生草本のヨウシュヤマゴボウなどが多かった。飛来種子数はムカシヨモギ属が最も多く,法面に生育するムカシヨモギ属の種はヒメムカシヨモギやヒメジョオン,オオアレチノギクがあった。法面では,表土混合率30% が当年から3 年目まで植被率80% 以上と高かった。施工当年から3 年目までいずれの試験区でもダンドボロギクやヨウシュヤマゴボウ,ヒメムカシヨモギ,コウゾリナが優占し,埋土種子数が多かったヒサカキやリョウブは試験区では生育しなかった。本調査地では,埋土種子や飛来種子に由来すると考えられる草本が施工当年から優占し,木本が旺盛に生育しなかったため,施工後3 年目も草本群落が維持されたものと考えられる。
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