一級河川天竜川上流の堤防では,法面保護および水防上の法面監視の観点から,年間2回の刈り取りが実施されてきた。しかし,2000年頃より特定外来生物オオキンケイギクの分布が急速に拡大し,堤防草地の裸地化,繁茂に伴う草地性在来種の減少などの影響が発生している。そこで,本研究では,オオキンケイギクの発生抑制を目的として,刈り取りによる直接的な駆除方法(刈り取り試験)とGISによるオオキンケイギクの分布拡大の分析をおこなった。その結果,年間3~4回の刈り取りによりオオキンケイギクの被度は減少し,一定の効果は得られた。またオオキンケイギクが進入しにくい法面植生としてチガヤタイプの植生が抽出された。