抄録
生物多様性に配慮した植物材料は,地域性系統,雄性不稔系統や短命系統の外来牧草が挙げられる。地域性種苗については,安定的な生産や供給のために,種子の精選方法,硬実や休眠打破を含む発芽や育苗の方法の解明が進められてきた。一方で,苗生産業者の在庫リスクや地域性種苗であることの保証についての課題も解決していかなければならない。また,雄性不稔系統や短命系統の外来牧草については,植物材料は開発されているものの,緑化に用いた事例が少ないため,今後,更なる知見の集積が必要な段階である。本稿では,これらの緑化植物に関して,現状および問題点を整理し,生産者側からみた将来の方向性について考察する。