日本緑化工学会誌
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技術報告
万葉集にみる秋の七草の生育立地
七海 絵里香大澤 啓志勝野 武彦
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2011 年 37 巻 1 号 p. 123-126

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抄録

山上憶良が詠んだことにはじまる秋を代表する野草である秋の七草は,その姿の美しさや風情を楽しむことで,古くから様々な人々に親しまれてきた。今回,日本最古の歌集である万葉集の中で秋の七草が詠み込まれた歌から,万葉集が編纂された時代の秋の七草の主な生育立地を把握し,「野」「山・岡」「庭」「街・里」に分類した。その結果,七草全体では「野」が最も多く,植物種によって差があるものの,身近に野草を置こうとする歌人の意向から庭に植えたと考えられる植物種も多数見られた。特にナデシコは栽培されたものを詠んだ歌が多く,ハギは様々な立地に幅広く生育するものが詠まれていた。

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