北海道中部に位置する人工分水路は親水空間としても重要な役割を担っているが,河床勾配が小さい,水止工を有する等,細粒分が堆積しやすい環境となっている。また,ホソバミズヒキモの繁茂が著しく,同種の枯死体の堆積も親水環境悪化の一要因と考えられている。そこで,本調査では,水止工周辺の親水環境の評価およびホソバミズヒキモの生育環境を把握し,同種の繁茂抑制に向けた水止工の改良を検討した。その結果,底質汚濁の進行,親水利用時(撹乱後)には水浴場に適さない水質となることが示された。一方,ホソバミズヒキモは流速 0.6 m/s 以上では生育しない可能性が示唆され,底泥のフラッシュ・ホソバミズヒキモの抑制等には水止工の一段撤去が効果的と考えられた。