抄録
火災の延焼を防止することは樹木の重要な機能の一つである。本研究では,火炎近傍の樹木による背後での受熱量の低減機能について比較実験を行った。実験では,ほぼ直立する火炎を挟んで左右に2つのタイプの樹木を配置し,合計4つのタイプの植栽形態について,樹木の前後での受熱量を測定した。その結果,樹木が接炎しない場合も樹木が接炎により有炎発火した場合も,概ね樹冠の遮蔽率の増加とともに受熱量低減効果が向上した。災害時の避難路もしくは避難場所となる空間では,樹種や植栽配置を検討するとともに,空地を確保し樹木の発火燃焼を回避する計画が重要であると考えられた。