日本緑化工学会誌
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論文
タイサンボク (Magnoliagrandiflora L.) の移植作業に伴う樹液流動について
竹内 真一森田 康平岸本 宗也篠崎 圭太郎
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2012 年 38 巻 1 号 p. 27-32

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抄録

タイサンボク (Magnolia grandiflora L.) の樹高6.4 mの個体を対象に,ヒートパルス法により幹部および大径根の樹液流動を測定し,樹木の移植作業に伴う樹体内の水移動特性の変化を把握した。幹部には従来法を,地表に露出している根部には,HRM (Heat Ratio Method) を適用した。樹液流は根回し後に低下し,4カ月後に最高速度を示し,移植後に再び低下した。従来法では検出できない僅少な流れを HRM は検出可能で,強剪定作業・掘り取り・環状剥皮などの根回し工および移植工前後の樹液流動を把握することにより,その作業の成否が判断され,取り扱いも容易なことから有用なツールであると判断された。

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