抄録
本研究は,より簡易で客観的な樹勢診断手法の確立を目指し,小型クロロフィル蛍光測定器 (以下,FluorPen) と既存の測定方法との比較により樹勢診断の可能性を検討した。カナメモチ (Photinia glabra Thunb.) の苗 50 ポットを潅水区 20 ポットと無潅水区 30 ポットに分け,水ストレスによる樹勢の衰退を FluorPen,MINI-PAM,葉緑素計,目視診断で比較した。その結果,FluorPen の夜間測定では,4 日目の時点で潅水区と無潅水区の間で有意な差が認められた。また,いずれの測定においても実験開始 7 日目以降で,潅水区と無潅水区で有意な差が認められた。FluorPen を用いた日中の測定では,光合成速度を,夜間では光合成能力を,他の機器での測定より短時間で比較することが可能であることが示唆された。