2012 年 38 巻 1 号 p. 73-78
造成された緑地では,土壌水分の欠乏など周辺環境の影響を強く受ける。適切な緑地環境の維持管理には,植生に対するストレスの非破壊検出法の開発が急務な技術的課題となっている。本研究では,水ストレス下のセンリョウから発生する弾性波を AE (Acoustic Emission) 法を用いて検出した結果を報告する。水ストレス条件では,植物体から導管に発生する気液二相流起現の弾性波が検出される。検討の結果,弾性波の発生特性は,時系列 AE データを用いた土壌 pF と AE 発生頻度の関係から評価可能であることが認められた。このことから,AE 法により検出された弾性波は,水ストレス条件を定量評価できるものと考えられる。