抄録
緑のカーテンは,蔓性の植物をネットに這わして窓や壁面などを覆って日射を遮るため,夏場の室内の温熱環境改善に役立つとされる。このため,浜松市において緑のカーテン実践者へのアンケート調査を実施し,そこから得られた夏場の電気使用量の経年変化と利用実態から,その効果の把握と望ましい緑のカーテンの利用形態の検証を試みた。その結果,緑のカーテンを新たに導入した世帯と,前年から継続して緑のカーテンを設置した世帯との電気使用量の経年変化の相対比較から,緑のカーテンによるエアコンへの負荷軽減による節電効果が確認できた。また,特に緑のカーテンを設置することによって窓の開放が促進されることなどの,緑のカーテン利用者の利用傾向も確認できた。