2013 年 39 巻 1 号 p. 158-161
より安価かつ環境に配慮した緑化技術の開発のために,毎年大量に廃棄される古畳を,植栽可能な緑化マットに加工して屋上緑化に利用する技術の可能性を検討した。植物種を加工した古畳に植え付け,4年間の生育とマットの重量の変化を調査したところ,ほとんどの植物種は正常に生育し,マットの重量も,4年経過しても建築基準法に抵触しなかった。また,屋上を模した実験施設により,古畳緑化マットを敷いた箇所を調査したところ,夏季の高温,冬季の低温ともに抑制効果が確認された。以上のことから,植物を植える緑化マットとして,古畳を屋上緑化に利用する技術は有望である。