日本緑化工学会誌
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論文
RAPD 法によるテイカカズラ属(Trachelospermum Lem.)種苗の分類と交雑個体の検出
上町 あずさ福井 亘下村 孝
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2013 年 39 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

国内には日本に自生するテイカカズラ,ケテイカカズラおよび中国などを原産地とするトウキョウチクトウの3 系統が流通している。RAPD 法によりこれら3 系統間の系統特異的なマーカーを検出し,系統識別の指標を得た。得られたRAPD マーカーを利用して,国内に流通している緑化用種苗や園芸品種の識別を試みた。その結果,これまで形態からは明らかに出来ていなかった個体を含め,これらの系統を明らかにすることができた。また,外国産のケテイカカズラが緑化用種苗として国内で流通していることが明らかとなった。さらに,テイカカズラ類を混植している圃場で得られた種子由来の後代をRAPD 法により雑種検定したところ,テイカカズラとケテイカカズラとの交雑個体や,外国産のケテイカカズラ由来の園芸品種と国内産のケテイカカズラとの交雑個体が検出され,緑化の現場で植栽されたテイカカズラ類が自生種と交雑する可能性が示唆された。

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