抄録
ニホンジカの採食による法面緑化植物の衰退・枯死を防除するための「鹿止金網(しかとかなあみ)」を開発した。鹿止金網は 3cm の厚みを持たせた立体的な金網であり,網目寸法は 40 mm に設定している。この鹿止金網を法面緑化工の併用工法として植生マット・シ-トの上に設置し固定することで一定以上の草丈が確保でき,また生育基盤の踏み荒らしを防除することができる。草本種播種工に用いられるイネ科植物は他の植物とは異なり,成長点を地面付近に持つため,ある程度の草丈を維持できれば衰退を防ぐことができる。これまでの採食されないようにする工法から採食されても植生を維持するという発想の転換により開発した工法である。