抄録
里山を模した人工林に林床植生を導入する際の計画手法を確立するために,関東近郊の林床植生を代表する春植物であるニリンソウ (Anemone flaccida Fr. Schm.) を対象として,荒川区立赤塚公園大門地区,および君津市君津グリーンセンターのニリンソウ自生地にて,2012年春に生育調査と気温,日射量の計測を実施した。赤塚公園では君津に比べて 2週間ほど早く萌芽し,以降も1~2週間ほど早く生育ステージが進んだ。また,計測した環境データを解析した結果,1,2月の月平均気温がニリンソウの展葉開始時期に影響を及ぼすこと,また,林床内に十分な日射量があるにも関わらず地上部が枯死することが明らかとなった。得られた結果より,春植物を導入する際に配慮すべき環境要素について考察した。