抄録
熊本県球磨村の大規模皆伐を行った地域にて,2006年 3月に植栽されたアカマツ,エゴノキ,エノキ,タブノキ,ヒサカキの成長と,成長に関わる土壌と葉内の養分濃度を分析した。測定は,肥沃な立地の谷部と,酸性かつ貧栄養な立地の斜面部に植栽された個体で行い比較した。アカマツ,タブノキ,ヒサカキは谷部と斜面部の間に成長の差はなかった。一方,エゴノキとエノキは斜面部の個体は有意に成長が悪かった。エゴノキとエノキは葉内窒素・リン・カルシウムが斜面部の個体で低く,これらの欠乏が成長の抑制に関与していると推察された。なお,気孔コンダクタンスはいずれの樹種も谷部と斜面部の個体間で有意な差がなく,成長抑制に対する水分ストレスの影響はなかった。