抄録
外来樹種ハリエンジュの除去方法を検討するために,巻き枯らし(環状剥皮) 処理を行い,9年間に渡って調査を行った。巻き枯らし後,地上部の幹や水平根から萌芽が発生したが,伐採と比較して根萌芽の発生量は少なかった。萌芽の除去の回数を検討した結果,1年間に 2回以上行えばハリエンジュを枯死させることができると考えられた。また,ハリエンジュは水平根によって個体間で接続している場合があるため,林分全体の個体に対して巻き枯らしを行うことで,効果的に枯死させることができると予想された。以上の結果から,巻き枯らしはハリエンジュの除去に有効な手段であることが示された。