日本緑化工学会誌
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特集
特集「外来種と植生管理」 外来水生植物オオフサモ Myriophyllum aquaticum (Vell.) Verdc.の駆除手法の検討
金丸 拓央澤田 佳宏山本 聡藤原 道郎大藪 崇司梅原 徹
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2015 年 40 巻 3 号 p. 437-445

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抄録
オオフサモは主に関東以西の各地で水路の閉塞や在来種の圧迫などの問題を引き起こしており,特定外来生物に指定されている。近年,各地でオオフサモの駆除が行われているが,どの事例でも駆除後にオオフサモが再繁茂し,根絶できていない。本研究では,オオフサモの根絶手法を検討するため,オオフサモの生育状況調査,室内での遮光実験,野外での駆除試験をおこなった。生育状況調査の結果,オオフサモはため池全面を高被度で覆っていたが,定着しているのは水深の浅い水際部だけで,水深が 30 cmを超える場所には生えていなかった。室内での遮光実験の結果,長さ約 20 cmのオオフサモの苗は,遮光期間が長くなるにつれて主茎の上部から枯れ下がり,短くなっていった。遮光 158日目にはまだ生残個体があったが,遮光 197日目には生残個体は確認されなかった。野外での駆除試験の結果,底泥剥ぎ取りと遮光を併用した場合に限り,駆除後にオオフサモが再生しなかった。これは,大部分の根茎断片が底泥剥ぎ取りによって除去され,残された少数の断片が遮光によって枯死したためと考えられる。底泥剥ぎ取りと遮光を併用すれば,オオフサモを局所的には根絶させられる可能性がある。
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