日本緑化工学会誌
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論文
自然配植技術による植栽後約20年が経過した法面の林分構造―周辺自然林との類似性―
榊原 菜々長島 啓子嶌田 知帆高田 研一田中 和博
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2015 年 41 巻 1 号 p. 109-114

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抄録

自然配植技術による植栽緑化法面が最終緑化目標に当たる自然林の植生へ移行しつつあるかを確認するため,岐阜県高山市にある施工後20年が経過した法面と周辺自然林の林分構造や類似性を比較した。毎木及び実生・稚樹調査の結果,植栽工はダケカンバ等が優占する遷移初~中期段階,自然林はウラジロモミ等が優占する遷移後期段階にあった。この遷移段階の違いにより,類似度及びDCAの結果,両調査地の種組成の類似性は低かった。一方,植栽工では自然林と共通したウラジロモミ等の実生が確認され,さらに植栽工の下層に遷移後期種が,中期種が高木層に達していた。今後遷移が進むことで,植栽工は自然林の林型に近づいていくと考えられた。

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