日本緑化工学会誌
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論文
SET*,PMVを用いたバルコニー部における緑のカーテンの温熱環境改善効果
鈴木 弘孝加藤 真司桑沢 保夫藤田 茂
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2015 年 41 巻 1 号 p. 175-180

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抄録

本研究は,緑のカーテンによる温熱環境改善効果を評価するため,カーテンの有無による放射環境を計測し,体感温熱指標であるSET*とPMVを算出して,比較検証を行った。計測の結果,正味放射量ではカーテンを設置した場合は設置しない場合に比べると,20%程度に低減していた。SET*値では,日中はピーク時で1~2℃低減する一方,夜間の時間帯では最大で3℃前後上昇が見られた。PMV値では,カーテンを設置した場合でも,「暑い」を示す+3 評価となり,顕著な改善は見られなかった。以上により,SET*値による体感温度の差は認められたものの,PMV値での温冷感は人が「暑い」と感じる範囲にとどまり,暑熱環境下でのPMV値の屋外への適用には課題を残した。

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