中国内蒙古自治区クブチ(庫布其) 砂漠で,小葉楊(Populus simonii Car.) ,新疆楊(Populus alba var. pyramidalis Bunge) および垂柳(Salix babylonica L.) のヤナギ科樹木3種を2013年4月に砂丘斜面へ植栽し,植栽後2年間の生存,生理および成長の樹種間比較を行った。2012年と2013年には降水量が多く,すべての樹種で生存率が高かった。乾燥した2014年には,すべての樹種で葉の炭素安定同位体比の増加や浸透圧調節物質の蓄積などによる耐乾性の向上がみられた。しかし,浸透圧調節物質の含有量には樹種間に大きな差がみられた。新疆楊では先枯れによる負の成長や,他樹種より小さい気孔コンダクタンスが確認され,新疆楊はクブチ砂漠の砂丘斜面への植栽には不適切であると考えられた。