2015 年 41 巻 1 号 p. 62-66
九州大学福岡演習林の蒲田池沿いの過湿地に植栽された約40年生ヌマスギ (Taxodium distichum) の成長,樹幹形態,および樹皮,膝根,および浮遊根の組織構造と水深との関係を調べた。樹高は冠水深が深くなるほど抑制された。樹幹の形態は浅い冠水環境では下部にバットレス状の構造が発達し,深い冠水環境ではボトル状の構造となった。樹皮は水際部で細胞径,細胞間隙の増加にともなうスポンジ状の組織が増加する傾向があった。膝根は先端部でスポンジ状の組織が,浮遊根は先端部で破生型細胞間隙が認められた。