日本緑化工学会誌
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論文
海水による土壌冠水が東日本太平洋沿岸域に分布する木本植物17種の生育に及ぼす影響
井上 美那香口 成美立石 麻紀子谷口 武士山本 福壽山中 典和
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2015 年 41 巻 1 号 p. 73-78

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抄録
津波による海岸林の塩害を軽減するためには,海岸林構成樹種の耐塩性評価が不可欠である。本研究では,東日本太平洋沿岸域に分布する17樹種を対象に海水による土壌冠水実験を行い,種間差を検討した。実験は冠水時間が24時間の冠水処理区と対照区を設定し,個体の生存,葉の変色割合,葉数及びFv/Fmを測定した。今回用いた海水のECは19.0 mS cm-1とやや低かったが,海水冠水に対する反応には種間による違いが顕著であった。オニグルミ,クリ,ニセアカシア,エノキ,ヤマザクラ, ヤブツバキでは冠水処理後,急激に葉が変色して枯死した。これに対し,常緑広葉樹のトベラや針葉樹のスギ,アカマツ,クロマツなどは葉の変色や枯死はほとんど見られなかった。残りの7種は中間的な反応を示した。
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