日本緑化工学会誌
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技術報告
特集「防災緑化と土砂災害」 土砂流出災害における崩壊地の微地形の特徴と森林の関係
田中 淳見市 貴司世古口 竜一對馬 美紗竹村 文田村 洋子森 千夏田中 賢治大野 亮一
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2015 年 41 巻 2 号 p. 326-330

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抄録

豪雨による山地災害が発生した 258箇所について,航空レーザ測量データを用い崩壊地の微地形の特徴および,崩壊規模を整理した。その結果,崩壊源頭部の微地形の特徴は,全体の 28%が上部谷壁凹斜面から崩壊が発生し,その崩壊源頭部の平均規模は,崩壊幅 13.2 m,水平方向の崩壊長 8.7 mであった。また全国 15地点(30箇所) の豪雨災害が起こった場所ならびに立地条件が類似した近接の森林の林況を調査した結果,林分の混み具合を示す収量比数は,崩壊地の平均 0.79 ± 0.12,未被害地の平均 0.72 ± 0.12と,対応のある t 検定において崩壊地の方が有意(p<0.05) に過密であった。土砂流出防止機能を高めるためには,密度管理が重要であることが示唆された。

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