日本緑化工学会誌
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技術報告
針葉樹人工林伐採地における植栽3年後の優占種とその種特性
山瀬 敬太郎藤堂 千景
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2016 年 42 巻 1 号 p. 200-203

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抄録

生産性の低い針葉樹人工林を天然生の広葉樹林に誘導することは,将来的な森林管理における選択肢の一つである。そこで,伐採後に遷移中後期種の夏緑高木を植栽した場所で,3成長期間後に生育する植物種を調査し,植栽木を含む将来的な林冠構成種(照葉高木,夏緑高木)の生育状況を分析した。伐採地内合計362区の調査区(1×1 m2) における優占種は,植栽木由来の割合が調査区数の30~40 %であった。一方,植栽木由来を除いた植物種では,夏緑低木や林縁低木,籐本,多年草が多くを占め,優占種が夏緑高木や照葉高木である調査区数は5 %以下であった。以上のことから,針葉樹人工林伐採地において,遷移中後期種で林冠構成種による広葉樹林化をより確実に行う場合,植栽が必要であることが示された。

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