抄録
本報では,桜島(八谷沢地区,西道川地区および松浦川地区)における航空緑化施工地の9-13年後の成立植生について,多変量解析を用いて標高・傾斜・方位・土壌深など環境要因との関係から考察した。その結果,対象地のすべてでススキ-イタドリ群落が成立し,植物材料として施工時に導入した外来牧草類は確認されなかった。また,同群落における木本類の定着には,傾斜ならびに土壌深,特に後者が影響していると考えられた。すなわち,傾斜が急で土壌深が浅い立地で木本類の出現頻度と成長は制約される。これに対して,傾斜が緩く土壌深が深くなるとその成長は高まる傾向にあり,土壌深がより深くなると木本類の出現頻度も高くなると考えられ,これらは既往の報告を支持するところでもあった。