2016 年 42 巻 1 号 p. 98-103
草刈りに要する費用が最小になる草刈時期を設定することを目的に,名神高速道路栗東インターチェンジのススキ (Miscanthus sinensis Anderss) とチガヤ (Imperata cylindrical (L.) Beauv.) が優占する盛土のり面において,草刈時期の異なる調査区を設け,草丈及び刈草重量と草刈りに要した費用を調査した。その結果,草丈と草刈りに要した費用に高い正の相関が認められ,刈取時の草丈が低いほど草刈りに要する費用が抑えられることが明らかになった。調査で得た草丈の実測値と気象データ (気温,降水量,日射量) から草丈を推定するモデル式を構築した。任意の維持管理上の草丈上限値を設定し,草丈推定モデル式を利用することで,草刈費用が最小となる時期を推定することができた。