抄録
本研究ではチュウゴクザサを対象に,花序を切除した稈と自然条件下の稈の一斉開花とその翌年の開花における枯死過程の相違を明らかにすることを目的に,花序や地下茎の切断処理を行い,花・種子生産量と稈の枯死過程を調査した。調査の結果,無処理の稈に関して,一斉開花における 1回目の開花では,結実率,枯死稈の割合は小さかったが,2回目の開花において結実率は大きくなり,枯死稈の累積割合は 95%となった。花序を切除した稈に関しては,1回目の開花で枯死稈は確認されず,2回目の開花において枯死稈の累積割合は 25%であった。同様の傾向は地下茎を切断した稈と地下茎及び花序を切断した稈の間でも確認され, 2回目の開花において,地下茎を切断した稈は 1回目の開花より結実率が大きくなり枯死稈の累積割合は 93%となったが,地下茎及び花序を切断した稈の枯死稈の割合は 53%であった。一斉開花で枯死しなかった稈は,翌年も開花して枯死した。これらのことから,チュウゴクザサの一斉開花において,花序を切除した場合は枯死する稈の割合が小さくなること,一斉開花で枯死しなかった稈は翌年も開花して最終的には全て枯死することが示唆された。