抄録
ヒートレシオ(HR)法による樹液流量の定量評価を目的として,根鉢の状態で生育管理する樹体の重量変化に基づいて蒸散量が評価可能な根鉢秤量法を考案し,シダレモミジに適用した。2年間にわたってキャリブレーションを実施した結果,HR法によるヒートパルス速度と蒸散量の間には高い相関関係が存在し,低流速の場合は一次式,高流速の場合は二次式により,高精度に日樹液流量が算定可能であることが示された。さらに,2年間で樹液流量は増加傾向を示した。根系への損傷を低減するように注意して根鉢を作成すれば,根鉢秤量法は樹体を枯死させることなく蒸散量が評価可能であり,樹液流速測定法のキャリブレーション方法として有効である。