抄録
栽培環境下においてヤマユリ幼齢個体 (J)とその直後の生育ステージである小サイズの抽出茎個体 (B1)を主対象とし,各器官への季節的な乾物分配特性を比較した。J から B1に推移する閾値は 0.666g 前後であった。茎抽出後,B1は J よりも地下部生重量当たりで多くの葉面積を持つが,同時に茎などへより高比率の資源分配が行われた。このためB1はJよりも芽吹き後から休眠期の乾物重量へ回復するまでに 8日間長い期間を要した。乾物生産の季節変化からヤマユリ群落地の維持には芽吹き時期から 5月末まで明るい林床環境が存続することが必要であることが示唆された。