現在,都市機能を中心に集めるコンパクトシティ化が注目されている。これにより,郊外に新たな緑地空間の確保が可能となるが,中心市街地では土地利用の多様化から緑被率の減少が懸念される。本報告は,土地利用の基本的な規制である用途地域に着目して,土地利用の混合状況が緑被率にどのような状況であるのかを示すことを目的とした。衛星画像から緑被地を調査した結果,住居系と商業系,工業系を中心とする地域の間で緑被率に有意差がみられた。また,住居系を中心とする地域では,多様度指数と緑被率に負の相関がみられ,特に用途地域の規制が緩くなるほど,他の種類の用途地域が混在するほど,緑被率が減少する可能性が示された。