2018 年 44 巻 1 号 p. 135-138
都市樹木の葉における粉塵捕集機能について,東京農工大学府中キャンパスを対象地として葉面洗浄法から樹種と着葉位置ごとに比較を行った。多くの樹種では樹冠内外に関わらず下層の葉の方が上層の葉よりも粉塵付着量が多かった。一方でスダジイやマテバシイ等の個葉の粉塵吸着能力が高いと考えられる樹種の場合,樹冠内部において上層の葉の方が下層の葉よりも粉塵付着量が多かった。また粉塵中金属濃度にも樹種間差が見られ,道路からの距離等の立地環境が強く影響していると考えられた。今後樹木の粉塵捕集機能を定量的に評価する際には,樹葉の着葉位置も考慮する必要があると考えられる。