エチゼンクラゲや食用クラゲなどのクラゲ類を活用した土壌改良材「くらげチップ」の広葉樹に対する施用効果を検討するため,松山市が市民の水瓶である石手川ダム流域で水源かん養林として整備中の放置竹林を伐採し,試験木として落葉広葉樹のヤマザクラを用いて植栽し実験を行った。ヤマザクラを選んだのは,水源かん養機能の向上への寄与や花を鑑賞するだけでなく,将来はスギ材やヒノキ材よりも高価格で取引されるサクラ材としての利用をはかるためである。5 年間の実験の結果,くらげチップ施用区と対照区の樹高と胸高直径との間に,t 検定の結果,有意な差が認められ,くらげチップのヤマザクラの初期成長に対する有用性が確認された。