緑化基盤材には,法面表層部の安定性に加えて,地域の生態系へ影響を与えない材料であることが求められる。本研究では,もみ殻灰の活用による環境への親和性に優れた緑化基盤材の開発を目的とする。本論では,細孔径分布試験,圧縮強度試験,透水試験および保水性試験に加えて,開発材料を用いて造成した基盤上での植栽試験から,もみ殻灰の置換率の相違による空隙構造と根系の発達状況との関係を考察した結果を報告する。検討の結果,もみ殻灰の置換率 50 %および70 %以上で,通気性,透水性,安定性の性能目標値を満たした。置換率の相違によって空隙分布特性が変化し,根圏の発達に影響を及ぼすことが明らかになった。