2018 年 44 巻 1 号 p. 15-20
本研究では,寒冷地での使用頻度が高いケンタッキーブルーグラスの根系が細粒土のせん断強度に与える影響を明らかにするため,生育期間や凍結融解履歴が異なる供試体に対して,X 線CT スキャンによる観察を併用した定圧一面せん断試験を実施した。この結果,根系が発達している供試体ほど,特に大きなせん断変位においてせん断抵抗が増加することが明らかとなった。また,凍結融解履歴がせん断強度に与える影響は小さいこともわかった。さらに,供試体の3 次元再構成画像から根系量とせん断強度には正の相関があり,X 線CT スキャンは土のせん断抵抗に及ぼす根系の影響を把握する方法の一つとして有用であることがわかった。