日本緑化工学会誌
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技術報告
強度の間伐を実施したヒノキ林の相対照度と外来牧草播種による早期植生回復の可能性
田中 淳上石 有吾佐藤 威臣横溝 和則
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2018 年 44 巻 1 号 p. 245-248

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抄録

壮齢ヒノキ林に本数間伐率50%(材積間伐率35%)を実施した。また,間伐後の下層植生を評価するために外来牧草を播種し,植被率の変化を調査した。播種した範囲の相対照度は平均15.4%となり,間伐を実施する前と比較して,11.6%上昇した。播種した外来牧草の植被率は,播種1 ヶ月後には50%程度となったが,播種2 ヶ月後から衰退し始め,4 ヶ月後には10%未満となった。間伐を実施しない対象区の相対照度は平均4.1%であり,播種後3 ヶ月後にはほぼ枯死した。地表面侵食防止のための森林整備方法として,下層植生を早期に健全に生育させるためには,より強度の間伐を実施するか,耐陰性の高い草種の選定が必要である。

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© 2018 日本緑化工学会
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