寒地土木研究所では,在来種による寒冷地河川の堤防法面緑化を実現するため,在来種の選定や緑化工法の検討を行っている。平成27 年からは,天塩川下流堤防の側帯上で,ヨシ,ヤマアワ,ビロードスゲおよびオオヨモギの苗および種子を用いて,植栽施工時期や植栽方法を変えた現地試験施工を行い,2 年間追跡調査を実施した。その結果,ヤマアワとビロードスゲについては秋植栽と比較して春植栽の方が,オオヨモギについては植生シート工と比較して種子散布工の方が,その後の植生の生長は良好であるとの結果が得られ,天塩川下流域における堤防法面緑化に向けた適用可能な在来種および適した導入工法が明らかになった。