日本緑化工学会誌
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論文
屋上緑化の雨水流出抑制機能に植物種の違いとバイオチャーの利用が与える影響
麥田 隼希土屋 一彬松岡 達也山田 晋大黒 俊哉
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2018 年 44 巻 1 号 p. 69-74

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抄録

イネ科植物は,薄層土壌の屋上緑化においてセダム類に比べ雨水流出抑制機能が高いことが知られているが,乾燥時の生育に課題があり,種ごとの機能の差異も明確ではない。本研究は,バイオチャーを土壌に混合することで無潅水時の生育状況が改善されるか明らかにするため,イネ科のチガヤとネズミムギの植裁への降雨時雨水流出と無潅水時生育状況を,セダム類を含む種間比較から検証した。その結果,100 mm/h相当の20分間の降雨時の流出量は,ネズミムギでチガヤやセダム類に比べ少なく,降雨前土壌水分量とは負の,乾燥重量とは正の関係が認められた。他方で,バイオチャーの混合によるイネ科植物の無潅水時生育状況の改善効果は確認されなかった。

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© 2018 日本緑化工学会
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