日本緑化工学会誌
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論文
都市型ビオトープ池での硝酸イオン吸着型水質浄化装置による水生昆虫相への影響
大澤 啓志井上 剛瀧 寛則屋祢下 亮天石 文林 聡横山 理英
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2018 年 44 巻 1 号 p. 87-92

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抄録

硝酸イオンを吸着・除去する水質浄化装置の有無による,都市型ビオトープ池の水生昆虫相及び水質や藻類の繁茂状況の影響を検討した。4 年間のモニタリングの結果,15 科29 種の昆虫が確認された。浅場での水生昆虫相の種構成・個体数には大きな差は認められず,装置設置池の方が非設置池よりもトンボ目の多様度指数は高かった。装置を設置した池では,夏季のクロロフィルa 量の極端な増加は生じず,設置後3 年目からは藻類発生の抑制効果が確認された。また夏季の池底最深部の昆虫類群集の極度の貧弱化が抑えられるとともに,池底のヘドロ様の堆積泥厚にも顕著な差が認められた。本装置設置によって池底での夏季の過度の富栄養化が抑制されていた。

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© 2018 日本緑化工学会
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