2019 年 44 巻 3 号 p. 511-515
今回のアンケート用紙を用いた調査の目的は,現時点で,河川敷に礫河原に代わって成立している樹林地や草原について,河川利用者や流域住民はどのような受け止め方をしているのかを明らかにしようとするものである。約15~20年前に,今回の調査地区とほぼ同地区で実施した2つの調査結果の中で,特に,河川や河川敷の風景や河川の利用等の部分に注目して比較検討するとともに,今後の都市河川の望ましい河川敷の自然について,合意形成の可能性を探るというものである。調査の結果,前2回の調査と同様に,多摩川の風景については,左岸と右岸で意識の差がみられ,自然環境全般に関する知見や情報が,河川の流域住民に十分に情報提供・共有され,生かされているとは言い切れない現況と思われる。