2020 年 46 巻 1 号 p. 103-106
生態系サービスの観点から屋上緑化への蜜源植物の導入が望まれており,セダムの混植は乾燥しがちな屋上部において植物体の生育を良好に保つ技術の一つとされる。一方で,セダム混植の効果は蜜源植物の生育段階によって異なり得る。本研究では,生育段階の異なるキバナコスモスを用いた混植実験により,セダム混植の有効性を検証した。その結果,生育段階が進み,植物体サイズの大きい個体では,セダム混植により土壌水分量の低下が抑制され,生育が良好に保たれた。一方で,生育段階早期の個体では12日程遅れて上記の効果がみられた。得られた結果は,屋上緑化におけるセダム混植の効果が,植物体の生育段階に依存している可能性を示唆する。