日本緑化工学会誌
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技術報告
希少種トウキョウサンショウウオ地域野生個体群を守り続ける道路ビオトープ
大磯 毅晃 石坂 健彦森崎 耕一小谷地 進太浅川 尚熙国武 陽子
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2020 年 46 巻 1 号 p. 131-133

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抄録

1989年の千葉東金道路建設の際にトウキョウサンショウウオの生息地が確認され,1993年から1995年にかけて同道路近傍に代替産卵池の整備がなされた。2016年から2020年にかけて,その整備効果を把握することを目的として,地元大学との共同で同池及び周辺地域において産卵状況調査を行った。その結果,同池周辺地域において既存産卵水域は乾燥化などによる消失が多くみられた。一方,同池では年間平均100個以上もの卵塊が確認された。以上より,当池は整備後20年以上経過した現在も,なお効果を十分に発揮しており,道路建設により整備したビオトープが地域個体群の維持に欠かせないものとなっていることが示唆された。

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© 2020 日本緑化工学会
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