2020 年 46 巻 1 号 p. 138-141
本研究は,現場において簡便に分析できる測定器の実用性の検証を実施した。土壌ダイレクト測定器によるpH測定は,土壌の希釈倍率による精度への影響はないが,EC測定においては6倍希釈による測定が適切であることを確認した。また,簡易かつ安価である吸光光度計を応用した土壌分析結果に係数をかけることで,乾物土壌を使用した土壌分析結果を推定できる可能性が示唆された。吸光光度計を使用する際の土壌の希釈倍率は,2倍希釈が最も精度が高いことが示唆された。また,アルミニウムとリン酸吸収係数の相関は決定係数(R2)が0.7137であり,比較的高い相関関係であることから,アルミニウムからリン酸吸収係数を算出できる可能性が示唆された。